適切な年金支給開始年齢は何歳か?

ある統計資料を見ながら、そもそも既に破綻している年金制度を維持し続けて何の意味があるのであろうかと最近思っています。

国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の将来推計人口(平成 29 年推計)」にこう記載されています。

「高齢者人口は、「団塊の世代」が65歳以上となった平成27(2015)年に3,387万人となり、「団塊の世代」が75歳以上となる37(2025)年には3,677万人に達すると見込まれている。

その後も高齢者人口は増加傾向が続き、平成54(2042)年に3,935万人でピークを迎え、その後は減少に転じると推計されている。

総人口が減少する中で高齢者が増加することにより高齢化率は上昇を続け、平成48(2036)年に33.3%で3人に1人となる。54(2042)年以降は高齢者人口が減少に転じても高齢化率は上昇傾向にあり、77(2065)年には38.4%に達して、国民の約2.6人に1人が65歳以上の高齢者となる社会が到来すると推計されている。総人口に占める75歳以上人口の割合は、77(2065)年には25.5%となり、約4人に1人が75歳以上の高齢者となると推計されている。

高齢者人口のうち、65~74歳人口は「団塊の世代」が高齢期に入った後に平成28(2016)年の1,768万人でピークを迎える。その後、40(2028)年まで減少傾向となるが再び増加に転じ、53(2041)年の1,715万人に至った後、減少に転じると推計されている。」

出所: 平成29年版高齢社会白書(全体版)

日本中が老人の佃煮状態ですね。

増え続ける老人を相手に、減り続ける若者が年金制度を支えるなんて、そもそも単純な算数で不可能だってわかるはずでしょう。

そういう人口動態のことを考えても不可能なこの年金制度ですが、設立当初の理由と、現状の間には埋められない溝があることを知っておく必要があろうかと思います。

所謂一つの「不都合な真実」とでも言いましょうか。

日本に最初の年金の法律ができたのは、大東亜戦争の真っ盛りである1941年(昭和16年)です。

「昭和16年法律60号労働者年金保険法」

この制度の目的な、戦費調達です。

戦争で多くの人が死に、平均寿命も短かったので、戦費調達のスキームとしては完璧でした。

終戦後は、「昭和25年10月の社会保障制度に関する勧告」により戦後最初に制度設計が検討され始めました。当然に戦前の「昭和16年法律60号労働者年金保険法」をベースに見直しが行われております。昭和28年12月10日に、社会保障制度審議会会長から、内閣総理大臣宛に「年金制度の整備改革に関する件」として素案が示され、翌年年金法が制定されます。

「昭和29年5月19日法律第105号厚生年金保険法」

しかし、この年金制度のベースとなる年金法は戦費調達が目的であり、戦争中の平均寿命は50歳くらいでしたから成立していた制度です。しかし、戦後は人がなかなか死にません。和25年(1950年)当時の平均寿命は、既に男性58.0歳、女性61.5歳にまで上昇していました。

ここも単純な算数で、当初から男子が払い損していることがわかります。

平均寿命(男性58.0歳) < 年金支給開始年齢(男性60.0歳)

ということで男子は払い損だった訳です。

そう、これが国家というものです。

無知な国民は国家を信じる。無知が故に・・・。

政府も正直に言えば良いのに。

「年金制度は破綻してます」って。

まぁ、言えないですよ。それを餌にして人畜な国民から税金という名目でお金を徴収する訳ですから(笑)。社会保障費じゃなくて、本当は国債償還資金に充当したいって言えば良いのだけど・・・できないのでしょう。

年金制度の問題はいろいろ言われているんだけど、それを解決する方法は簡単に考えると見つかります。

年金基金が赤字にならない条件:

国民の年金積立総額 > 国民への年金支給総額

これは誰にでもわかりますよね。では、この条件が成立し続けるようにすれば良い訳です。

平均寿命 < 年金支給開始年齢

とすれば良いのです。

だからこうした意見は正しい訳です。

毎日新聞, 65歳以上、4人に1人超す 社会保障、運営厳しく 識者に聞く

『生産年齢人口、引き上げの時期 鬼頭宏・静岡県立大学長(歴史人口学)

65歳以上が高齢者という概念を変えてもよいのではないか。65歳以上が4人に1人を超えたのは象徴といえる。65歳以上の年金支給年齢の引き上げも検討すべきで、同時に高齢者の再雇用をもっと進め、定年制の見直しをすべきだ。生産年齢人口の上限も、現在の65歳未満から、70歳未満に引き上げるといったことも考える時期に来たといえるだろう。 』

しかし、今までの政府は選挙で負けるのを恐れて、年金の支給開始年齢を引き上げてこなかった。そもそも1959年に国民年金制度が開始された時点で既にこの制度は破綻していました。何故ならば、1959年の時点で年金支給開始年齢60歳よりも、平均寿命が男性は65.21歳、女性は69.88歳にまで上がっていましたから。

そういう無理な前提の上に成立しているにもかかわらず、半世紀以上も放置されてしまった訳です。それは、政治家のせい?官僚のせい?

いえいえ、国民自身の無知のせいです。

破綻しない素晴らしい年金制度は、常に以下の関係が成立していないといけません。

国民の年金積立総額 < 国民への年金支給総額

すなわち、

平均寿命 < 年金支給開始年齢

です。これなら年金制度は破綻しません。そもそも戦費を調達するために作った制度です。これくらい平気でしょう。

この不等式が成立していない限り、年金の積立額を増やそうが、増税しようが常に国民年金制度は破綻し続けることになります。

水が垂れ流しになる蛇口には欠陥があるんです。欠陥がある以上はその蛇口を修繕しないといけません。

騙されてはいけません。無知ではいけません。国家を信じてはいけません。

そして何よりも大事な事は国家に頼る生き方を止めなければいけません。

国家なんていう個人はいないのだから(^_-)

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