お久しぶりです。
香港へ出張に出かけた際に、このサイトに不正アクセスがあって、しばし更新ができなくなってしまいご迷惑をお掛けしました。
でも、時間が少し空いた方が「待ち遠しい」気持ちになったりしますよね。
さて、今年の最初の記事は1月8日の「仮想通貨への過度の期待は禁物」でした。
その中で私はこう記しておきました。
『それ自体が価値を産み出さないのに価格が上昇し続ける理由は?
簡単ですね。
バブルだからです。
根拠なく価値が上昇してきたからです。
ある日突然、日米欧中の規制当局が結託して仮想通貨を規制対象に加えて、政府・中央銀行が発行する仮想通貨又は規制当局が許可した仮想通貨しか認めないとするルールを決めたらどうなるでしょうか?
恐らくですが、その瞬間にバブルは猛烈にはじけるでしょう。
気を付けましょう。
仮想通貨に過度の期待は禁物です。
統治者にとって、国家は万能ですから(^_-)』
そしてその10日後にどうなったかというと、1月16日、17日頃には最高値から半値にまで下落していました。
Bloomberg, ビットコインが1万ドル割れ、12月高値からの下げが約50%に達する
自画自賛もほどほどに・・・と思いますが、元々無価値なものが熱狂以外に理由がなく価格が上がり続けるなんてバブルそのものですから値を下げるのは当然です。
仮想通貨だけに根拠も仮想か!と思いたくなりますが、価格自体にバブルという以外に説明が付けられないので、新説まで登場する始末。
Bloomberg, ビットコイン、50%下げたのはお月様のせい-悩める市場に新説が登場
『ビットコインが先月付けた最高値から50%値下がりした理由を規制への懸念だけでは説明しきれないと考える一部ウォッチャーから、月の満ち欠けのせいという説がでてきた。
中国では太陰暦に基づく春節(旧正月)が1年の初めとされる。今年は2月16日に始まるこの祝日を控え、旅行の手配やプレゼント購入のためにアジアの投資家がビットコインを売っているという説だ。旧正月は中国ばかりでなくシンガポールやインドネシア、マレーシア、韓国、タイなどでも祝われる。』
仮想通貨はとうとうお月様のせいかよ。いよいよ運命終わりだな。
もはや「溺れる者は藁をもつかむ」ってか(爆笑)
ご愁傷様です。
ロイター, コラム:ビットコイン、「リアルマネー」に絶対ならない訳
『問題は、ビットコインの熱心な支持者が、貨幣の特性とその本質を混同している点にある。これは難しいテーマだ。主流の経済理論では、貨幣とは何かという点にほとんど触れないまま、単に物々交換の手間を省くための仕組みだと想定している。
紙幣が金との兌換性を保っていた時代には、ほとんどの人が、貨幣には、貴金属である金が持つ本質的価値があると信じていた。だが、18世紀初頭に起きたミシシッピ会社「バブル事件」の元凶となったジョン・ローが指摘しているように、「商品を交換する際の価値基準が貨幣なのではなく、貨幣という価値を求めて商品が交換される」のだ。
要するに、金は、貨幣として用いられることによって、その価値の大半を獲得しているのであって、その逆ではない。では、貨幣はその価値をどこから得ているのだろうか。』
仮想通貨は、貨幣として用いられることによって、その価値を得ているであろうか?
否
ジョン・ローが指摘した点を考慮すると、貨幣という価値を求めて仮想通貨が取引されているという意味で、仮想通貨は仮想の商品に過ぎず、その仮想の商品の価値は仮想であるが故に商品自体は無価値なので、今の仮想通貨の価値はまさにバブルということになります。つまるところ日本の交通系ICカードのような電子マネーを超えるレベルのものではない。
というのが私の個人的な意見ですので、仮想通貨の価値はまだまだ高いと思っています。
そして、仮想通貨が大暴落する中、鼻歌を歌いながら1月16日には「適切な年金支給開始年齢は何歳か?」という年金ネタを書きました。
なんとこの記事の翌日に政府が年金の支給開始年齢の引き上げを検討しているという報道がありました(ちなみに官僚や政治家情報ではないです)。
設立当初から実質破綻している公的年金制度。
年金至急開始年齢が70歳超程度では、破綻している年金制度を救えません。
年金制度を残すなら正解は一つです。
年金支給開始年齢 > 平均寿命
にするだけの話です。
さて、ここからが平均寿命の話の本題です。
2016年の日本人の平均寿命は女性87.14歳、男性80.98歳です。
日本経済新聞, 平均寿命、男女とも過去最高更新 女性87.14歳 男性80.98歳
ということで男性の年金支給年齢は81歳以上、女性は88歳以上であれば年金制度は破綻しません。
最後におまけネタが2つあります。
1つ目は日本人の多くは日本人が世界一の長寿国だと信じていますが、いえいえ最近は私が暮らしていた香港です。
あんなに空気が汚くて油っぽい中華料理ばかり食べている国なんですが、世界一の長寿国です。
香港の方々と接していて感じたことは、①他人を気にしない。②様々な種類のお茶を体調などに合わせて良く飲む。③体を冷やさない(お水には通常氷が入っていない)。④野菜をよく食べる。⑤おしゃべりが好き。
2つ目のおまけは真剣に読んで、考えないといけない内容です。
確かに平均寿命を取り上げれば世界で一にを競う長寿国です。より人間らしい生活ができる老人か?と問われると、日本の長寿の実態は相当違いそうです。厚労省は平均寿命とは別に健康な日常生活が送れる期間を示す「健康寿命」も算出しております。
実は平均寿命と健康寿命の差こそが要介護期間で、日本人の長寿に隠された負の部分を示しています。、
平均寿命 ー 健康寿命 = 寝たきり期間(要介護)
ここで、この健康寿命の最新の数字はまだ公表されていないので、ニッセイ基礎研究所が調べた「2016年健康寿命は延びたが、平均寿命との差は縮まっていない~2016年試算における平均寿命と健康寿命の差」による2016年時点の日本人の健康寿命の推計値(男性72.14年、女性74.79年)を参考にして、日本人の要介護期間を推計してみます。
日本人男性:
平均寿命80.98年 ー 健康寿命(推計)71.19年 = 9.79年
日本人女性:
平均寿命87.14年 ー 健康寿命(推計)74.79年 = 12.35年
簡単に言うと寝たきりの期間が日本人男性で約10年、日本人女性で約12年ということがわかります。実は他国では平均して7年程度の寝たきり期間(平均寿命と健康寿命の差)です。恐ろしいことに、先進国で寝たきり期間が10年を超えている国は日本だけだそうです(非常にざっくりですが、米国8年、英国7.6年、独逸6.9年、仏蘭西7.7年、中国7年)。
高齢化・小子女化に伴う人口減少が著しい日本では、若い世代の年金負担が重くなるだけでなく、毎年増加する医療費は2014年にとうとう40兆円超え、介護費も10兆円を超えました(ちなみに2025年には医療費は60兆円を超え、介護費は20兆円を超えると推計されています)。しかも医療費の3分の1を占めるのが、75歳以上の高齢者です。男女ともに健康寿命を上回った寝たきりの方々が、日本の医療費の3分の1を占めているという現実を直視しないといけません。
増え続ける医療費を削減するには、この平均寿命と健康寿命の差である寝たきりの期間を、現在の10年~12年から確実に減少させないといけない訳です。
もっとも国民の代表である日本の政治家には、国家財政を立て直そうとする意志は微塵も感じられないので、恐らく先延ばし、先延ばしで、何も解決せず、将来に理不尽な負担を強いられることになろうかなと思います。
結局のところ、自分自身で健康寿命を延ばすしか問題を解決する方法はなさそうです。